2012年5月22日火曜日

これからは、会社がオ・ト・ク?

いよいよ、国会では消費税率を上げるべきかどうなのか!?という議論が本格的に始まりました。

皆さんも、これまでの税制の問題では無かった程度に、この点について考えたり、意見をお持ちなんだろうと思います。

あと、この議論はそもそも、年金や子育て支援なんかの社会保障と、税金の問題を一体で考えよう、という大きなテーマの元で行われています。一方、税の話では、消費税が大きく話題になりますが、相続税や贈与税についての大きな改正について議論が行われますので、注意深く情報をキャッチしていきたいものです。



さてさて、突然ですが。先日、本屋に行ってみました。最近、本はネットで買うことが多いので、なかなか本屋へ足を運ぶことがなくなったのですが。
なーんか、本屋って、良いですよね!?何がかって、あの・・・、匂いでしょうか。あの匂いは、〇〇〇をもよおすんだって、以前TVで見たことがありますが。すみません。下品で。

本題に戻って。本屋に行くと、今話題になっている事が一目瞭然なんだなぁ、と改めて感じました。それだけでも、私にとっては、価値ある情報収集でしたが。

勿論、本屋では、職業柄、税金関係のコーナーにも行きます。
今の話題は、というか、永遠のテーマなのかもしれませんが、遺産や事業などの承継に関するものが多いようです。あと会社経営に関するもの。
税理士さんを始め、コンサル業の方など、多くの方が執筆されていましたので、手前にあるものを2冊ほど買ってみました。

その中でも、個人で商売されている方や、いわゆる資産家さんに向けての1冊。
法人税の税率が引き下げられた事による相続税、所得税の節税対策、について皆さんにも少し考えて頂きたいと思います。
これ聞いただけで「あ~、俺はサラリーマンだから関係ないや」なんて思わないでくださいよ。情報はどうまわりまわって、自分のもとへ帰ってくるかわかりません!

まず。
今年の4月1日以後に始まる会社の年度(事業年度っていいます)から、法人税の税率が下がります。中小法人だったら、18%から15%へ(800万円以下の所得に対して)、という具合に。但し3年間は復興増税がかかります。でも、会社にとってはありがたいですよね~。その分、皆さんのお給料も増えればいいのですが。

これに対し、個人に対する税金ってどうでしょう?所得税では、以前のブログで、少し増税されるなんて話を書きました。相続税や贈与税については、まさに今、増税しようか、という議論中。



法人には減税、個人には増税。もうこの傾向は当分止まらないと思います。



では、なんとかこれを避ける方法はないものか。
個人事業をなさっている方なら、会社を作って、その事業を会社の事業にしちゃう、なんて事はできます。つまり、事業主さんが社長さんになるわけですね。
資産家さんなら、会社を作って、お持ちの土地建物をその会社に持ってもらえば、土地建物には相続税はかからない訳です。

でも、所得税より法人税の方が税率が下がったから、じゃぁ、会社を作っちゃおう!なんて安易な発想だけは避けてください。多くの書籍や雑誌は、皆さんにそんな言葉だけが印象に残ってしまいそうな書き方がされていますが。
法人が有利、これはかなりの確率で言えることですが、もう少し考えてみましょう。

まず税率を比較すると。
法人税率は、中小法人なら15%(たくさん儲かる会社は800万円超の所得に対し25.5%)です。
分かり易いですね。
では所得税はというと、大部分の所得に対しては5%から40%まで。
所得が多くなればなるほど、その超えた分に対しては1段高い税率になる、という点では法人税と同じですが、法人税のように2段階ではなく、6段階にも分かれています。

なんだか、これを見ただけでは、法人と個人で、どっちが税金が高いのか、わかりませんよね?

では例えば、ラーメン屋さんが2軒ありました(ラーメン好きなもんで)。
1軒は個人経営。もう1軒は会社を作って経営(あまり無いとは思いますが)。
それ以外の条件は、まったく同じです。

売上から材料や賃料などの費用を差し引いた儲け、つまり所得が500万円だったとしましょう。

さぁ、個人・法人にかかる税金は?(復興増税は無視させてください)
個人経営の方には、最大で107万円くらいの所得税や住民税がかかります。
これに対し、会社には120万円くらいの法人税や住民税がかかります。

でも、この前提、会社から社長へのお給料は、まったく支払っていない前提ですので、お給料を500万円払ったとしましょう。

会社の所得はゼロになりますよね。お給料を支払いましたから。
そこで社長のお給料にかかる税金は、というと最大で53万円程度です。

むむ!個人経営の方は107万、会社経営の方は53万。ハンブン!!?


ではでは、社長のお給料を250万円にしたら?
会社には250万円の所得が残ります。社長には250万円のお給料が支払われます。
よって会社に64万円程度、社長に19万円程度、合計で83万円程度の税金がかかります。


これは、今回話題にしている、法人税率が下がった、という話よりも、このブログでも紹介したお給料からは給与所得控除額が差し引ける、ということが大きく寄与しているんです。

じゃぁ、奥さんと一緒にお店をやっていたら?従業員がいたら?所得がもっと多かったら?少なかったら?

色々なケースが想定されると思います。まさにこんな時に税理士へご相談いただけると良いのかと思います。申告代理屋さん、としてだけではなく。

少し長くなりすぎましたので、次回に相続税関連の話をしたいと思います!